プロビタミンとは

プロビタミン(Provitamin)とは、それ自身としてはビタミンではありませんが、体内に取り込まれてから、あるいは特殊な条件下でビタミンへと化学的に変化する天然の物質のことをいいます。
「プロビタミン」という言葉は、ビタミン活性が皆無かほとんどないが、通常の代謝によって体内で活性を持つようになるものに対して用いられます。
例えば、「プロビタミンA」は、そのままではレチノールの6分の1の活性しか持ちませんが、体内でレチノールに変わるβカロチンに対して用いられます。
野菜・果物に含まれているカロテノイドのうち、体内でビタミンAとして最もよく働くのがβ−カロテンです。
このβ−カロテンは緑黄色野菜のニンジン、カボチャなどに多く含まれています。ビタミンA(レチノール)はうなぎやレバーといった動物性食品に多く含まれていますが、これらだけで一日の必要量を賄おうとすれば脂肪も同時に多く摂ってしまうことになります。
したがって、動物性食品に合わせて、野菜類などの植物性食品に含まれるプロビタミンA(主としてβ−カロテン)も摂取し、バランスよくビタミンAを体内に取り入れることが大切になってきます。
別の見方では、βカロチンもレチノールも単にビタミンAの別の形であると言うこともできます。
また、プロビタミンAには過剰症の心配がないので、多く摂取しても特に問題がないといえます。
「プロビタミンC」は体内に吸収された後、化学変化を起こしてビタミンCになるものをいいます。
厳密には、プロビタミンとは、β−カロチンのように天然に存在するものを指すので、プロビタミンCというものは存在せず、プロビタミンC剤というのが正しいです。
中でもリン酸型ビタミンCと呼ばれる、アスコルビン酸リン酸は近年注目されており、ほかのビタミンC誘導体よりも、肌でのビタミンC吸収率がよく、化粧品などに配合されるプロビタミンC剤として効果的である。ビタミンCを肌に供給すると、活性酸素の除去やコラーゲンの合成を助ける働きをしてくれます。
「プロビタミンD」は太陽の紫外線によって皮膚でビタミンDへと変換されます。
詳細には、プロビタミンDにはプロビタミンD2(エルゴステール)とD3(7-デヒドロコレステロール)があります。きのこ類などの植物性食品に含まれているのがプロビタミンD2、魚類や卵類などの動物性食品に含まれているのがプロビタミンD3です。これらが紫外線の作用により、それぞれビタミンD2とビタミンD3に変わるのです。ビタミンD2とD3を総称してビタミンDと呼んでいます。