クッシング症候群とは

副腎皮質ステロイドホルモンであるコルチゾールが過剰に分泌され、特徴的な身体所見を示す疾患群をクッシング症候群といいます。このコルチゾールは生命維持に不可欠で、下垂体から出てくるACTHというホルモンの支配を受けています。一方ACTHは、さらに上位の脳にある視床下部から出るCRF(またはCRH)の調節を受けています。このCRF-ACTH-コルチゾール系の中で、コルチゾールが過剰に産生・分泌され特異的な症状を示す状態をクッシング症候群といいます。この中で副腎が原因でコルチゾールを過剰に分泌する状態をACTH非依存性クッシング症候群または副腎性クッシング症候群といいます。一方ACTHが過剰に分泌され、その結果コルチゾールが増える状態をACTH依存性クッシング症候群といいます。さらにこの中で下垂体に原因がありACTHを過剰に出す病気をクッシング病、下垂体以外からACTHが過剰に分泌される病気を異所性ACTH症候群といいます。