手足口病とは

手足口病(HFMD)は、ピコルナウイルス科の一種が原因となっておこるウイルス性疾患です。
病名は手のひら、足の裏、口内に水疱が発生することに由来します。
乳児や幼児によくみられる疾患であり、夏季を中心に流行します。
原因となるウイルスには、ピコルナウイルス科内のコクサッキーウイルスA16やエンテロウイルス71なども挙げられます。
ピコルナウイルス科は口蹄疫の原因ウイルスとして有名です。
手足口病の症状としては次のようなものがああります。
[発熱、口唇周囲の発疹、手掌と足底の水ぶくれやただれ・潰瘍]
多くの場合、1週間から10日程度で自然に治癒しますが、まれに急性髄膜炎が合併し急性脳炎を生じることもあります。
エンテロウイルス71の感染症例では頭痛、嘔吐などの中枢神経系合併症の発生率が他のウイルスを原因とする場合より高いそうです。
また、コクサッキーウイルスA16感染症例では心筋炎合併の報告があります。
手足口病のための特別な治療はなく、ただれた部位の熱や痛みといった個々の症状は、対症療法によって緩和します。
ただし、中枢神経症状が発生した場合は入院加療が必要です。
通常、感染症が治るまで自宅で安静にすることが病気に苦しむ子供にとって最も大切なことです。
熱冷ましは高熱を下げるのに役立ち、水やぬるま湯による入浴もまた、乳幼児の熱を下げるのに役立ちます。
手足口病に有効なワクチンは存在しないため、手洗いとうがいを励行するのが対策です。