酸素吸入とは

酸素吸入とは、空気よりも高濃度の酸素を人為的に吸入することです。
医療だけではなく、健康増進などの目的でも行なわれます。
酸素療法の第1の目的は、吸入酸素濃度を増加させて、動脈血酸素分圧を正常に保ち、組織に十分な酸素を供給することです。
また、肺胞酸素分圧が70mmHg以下になると低酸素性肺血管攣縮を起こし、肺高血圧症の原因となることから、これを防ぐことも目的のひとつとなります。
酸素吸入に関して警戒すべき副作用としては、未熟児においては未熟児網膜症による失明、慢性呼吸不全患者においては炭酸ガスナルコーシスによる自発呼吸の停止および意識障害があります。
また、高濃度酸素の長時間吸入による酸素中毒症や吸収性無気肺なども発生しうるほか、活性酸素を増やすため、場合によっては弊害もあるとの説もあるようです。
そのため医療機関では厳密な酸素濃度管理を行い過度の血中酸素ガス濃度にならないよう管理をしています。